日本財団 図書館


 

CALSの考え方は、情報を共有し、最大限に有効活用できる環境をつくることである。

ここで言う共有とは、組織や業界さらには国を越えてのある目的での集合体による情報の共有を目指している。又、情報を最大限に活用するとは、ライフサイクル全体にわたる情報の活用、つまりは前工程の文書を後工程で使うなど、必然的な情報の再利用を意味している。その結果、コストの削減、品質の向上、業務スピードの向上などの効果が期待されており、実際にこれらの効果が認められている。

 

このような環境を実現するためには、情報の電子化とシステム・ネットワークの整備が必要である。情報の電子化に関しては既に多くの組織で取り組まれているが、CALSを導入する際にはCALSのデータ標準を採用することが求められている。情報を電子化する際にこのデータ標準を採用することにより、個人間や組織間での情報の交換・再利用が円滑に行うことができる。実際に、アメリカではCALS標準での電子データの納入を政府が求める場合もでてきている。

CALSの実現過程を考えると、このように標準を使用したデータを交換するためにはネットワークが必要となる。そのため、スーパーハイウェイに代表されるようなネットワークの構築・活用が行われることになる。又、このようにデータが交換される環境を利用して行政機関や民間企業において業務の効率化を図るためには、データを一元管理していくことが必要であり、各組織内でのデータベースの整備は必須である。さらに組織を超えて情報を活用するためには、データベースを統合し、あたかも一つのデータベースのようにデータを共有する統合データ環境が有効である。(図3−1参照)

 

図3−1 CALSの実現過程

出典:CALS−ISG資料

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION